「Zen2」と「X570」の圧倒的拡張性を解説。PCIe4.0採用でエンスージアスト一歩手前の拡張性

Computex2019でとうとう発表されたAMD Ryzenの新型「Zen2」

メインストリーム向けCPUにおいて初の2桁コア数を達成しました。
Ryzenのコストパフォーマンスも健在です。

同時に、X570チップセット搭載のマザーボードも各社マザーボードメーカーから発表され、大幅に拡張性が広がりました。

今回はそんな「Zen2」と「X570チップセット」の”拡張性”を中心に解説していきます。

まず現在のintel/AMDのメインストリーム向けCPUの拡張性を大まかに把握してみる。

Zen+とX470の拡張性を見てみる。

これがZen+とX470の大まかなダイアグラム

PCI Express 3.0(PCIe3.0)は、CPUから合計24レーン(x24)出ており

  • x4→チップセット
  • x4→PCIe接続なM.2型のNVMeSSD
  • x16→グラフィックボード接続用

に割り当てています。我々が自由に使えるのはチップセット分を除いた20レーンですね。
またX470チップセットはx16レーンを更にx8の2つに分割可能でグラフィックボードを2枚挿ししたり、グラフィックボード+PCIeSSDという組み合わせも可能です。

その他サウンドカードやキャプチャボードを接続するときに使うPCIe2.0やSATA3.0、USBやLANなどの多くはチップセットから接続、その後チップセットとCPU間のPCIeでそれらのデータをやり取りする。つまり2段アクセスになります。

USB3.0やSATAは一部がCPUからも直接伸びており、チップセット無し(A300)でもある程度の拡張性を確保することができるのが特徴。

ちょっと前に話題になったASRockのDeskmini A300もチップセット非搭載です。

ちなみにZenアーキテクチャはSATAなども組み込んでるから厳密にはSoCのジャンルになります、また同じアーキテクチャを採用しているEPYCというサーバー向けCPUはチップセットを一切使っていません。

intelの第9世代CPUとZ390チップセットの組み合わせをおさらい

本記事では比較しやすさを重視しているため細かい部分で若干の違いがあります。
F付きのCPUの場合はDP/HDMIの項目は無効化されているので注意。

先程のZen+&X470の組み合わせと大きく違う点は

  • CPUのPCIe3.0レーンの分割
  • チップセット側のPCIeのレーン数とバージョン
  • CPUが直接出すSATAとUSBの有無

CPUのPCIe3.0レーンの分割

Zen+ではx8を2つまで分割が限界でしたが第9世代intelCPUとZ390の組み合わせではx8とx4×2まで分割可能です。

チップセットのPCIeレーン数とバージョン

これが一番大きいでしょう。

X470ではPCIe2.0まででしたがZ390だとすべて高速なPCIe3.0対応になります。これが24レーンあるのでCPUのPCIe3.0を合わせると合計40レーンという広大なレーン数を確保できます。
Zen+とX470のPCIe3.0レーン数が合計20レーンなので拡張性で圧倒しています。

また、この24レーンはすべてx1やx2,x4に分割可能、これはintelが推しているThunderbolt3やOptane Memoryを使いやすくするためですね。

しかし…

intelのチップセットから出ている24レーン、確かに圧倒的ですが大きな弱点があります。それは「CPUとチップセットの間はPCIe3.0のx4と同じ速度でつながっている」こと

確かにチップセットから24レーンも伸びてはいますが、肝心のCPUとチップセットの接続がDMI3.0(PCIe3.0x4)のため、チップセットに接続されているSSDや、LANなどが同時にアクセスをすると、CPUとチップセットの通信がDMIの速度では足りなくなってしまい思ったより速度が出ない「ボトルネック」が発生してしまいます。Z390はチップセット側にPCIe3.0の高速なレーンを多くもっているためこれが非常に起こりやすい。

CPUが直接出すSATAとUSBの有無

そのままです。CPUから直接接続できるSATAやUSBはintelのCPUにはありません。

そのかわりチップセットですべて接続します。

 

それを踏まえてZen2&X570を見てみる。

ダイアグラムを見てみる

今回は分かる範囲でざっくりと作ってみました。赤い部分がX470からの変更点です。

「Zen+」&「X470」との大きな違いとしては・・・

  • PCIeレーンがCPU、チップセットともに4.0へバージョンアップ
  • チップセット側のレーン数が2倍の16レーンに
  • その他、USBやSATAの強化

順をおって解説していきます。

PCIeレーンがCPU、チップセットともに4.0へバージョンアップ

Zen2とX570はすべてのPCIeレーンが従来のPCIe2.0や3.0から、数倍の転送速度を持つPCIe 4.0へ強化されています。これがX570の一番おおきな特徴。

チップセット側のレーン数が2倍の16レーンに

X570はPCIe4.0を16レーン持ちます
この16レーンはx16,x8,x4,x1など幅広く分割可能、一部はSATAポートとして転用も可能になっています。

これでRyzenもCPUの24レーンと合わせてRyzenも最大40レーン、それもPCIe4.0というintelCPUどころかX299やX399チップセットなどのエンスージアスト向け一歩手前な拡張性を得ました。

CPU↔チップセットの接続もPCIe4.0へ

なおintelの項目でも説明した通り、チップセットCPU間の速度(ここで言うならPCIe4.0の転送速度)より、SSDやLANからのチップセットへの同時アクセスでの合計データ量が上回った場合、チップセットとCPUの間の接続がボトルネックになります。

今回のAMDも非常に高速なバスがチップセット内を流れているのでボトルネックが起こりやすいです。
しかしCPUとチップセットの間はPCIe4.0のx4となっていてintelCPU+Z390の組み合わせより2倍近いの転送速度を持ちます。ボトルネックは小さくなっています。

その他、SATAやUSBの強化

そのままです。CPUから伸びるUSBが3.0から3.1に変更になりました。
逆に2.0は減少。
SATA Expressがなくなりました。(需要がかなりアレだったし・・・)

そのかわりチップセットのTDPが大幅に上昇

X470のPCIe2.0から一気にX570でPCIe4.0まで速度が上がり、レーンも増加、その結果TDPが5W→15Wまで増加してしまいました。これの影響は大きく、X570チップセットのマザーボードの多くにはチップセットを冷やすための専用のファンが備え付けられています。

小型ファンは基本的に高回転&高音でこれを嫌う自作erも多いです。(個人的にロマンに溢れてて大好きです。(;゚∀゚)=3ハァハァ)

例:ASUS ROG X570 Crosshair VIII Hero(WiFi) チップセット部分にファンがついている

かなりの拡張性を得たX570

PCIeが大幅に強化されかなり拡張性を確保しました。
特にチップセット↔CPUの帯域が強化されたことにより、そのあいだのボトルネックを小さくできるようになったり。レーン自体も増加したのでPCIe4.0のパーツを使っていない人でも乗り換える価値のあるチップセットとCPUになりました。
PCIe4.0対応のSSDやグラフィックボードも登場予定です。期待ですね。

もちろんX470の時点で、グラフィックボード+SSD+HDD+サウンドカード程度なら全然問題ないくらいの拡張性はあるのでTDPの低さを狙ってX470やB450を選ぶのも選択肢としてありです。ちゃんと下位互換性はあります。(Zen2のCPUを搭載する場合はBIOSアップデートが必要になります)

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